訃報は突然やってくるものであり、仕事道具がぎっしり詰まったビジネスバッグや、出張帰りのキャリーケースを持ったまま葬儀会場に向かわなければならないシチュエーションは誰にでも起こり得ますが、その荷物をどう処理するかが、あなたのマナーレベルを決定づける試金石となります。最悪のパターンは、大きな荷物をガラガラと引きずって式場内に入り、焼香の列に並ぶことですが、これは通行の邪魔になるだけでなく、「早く帰りたいのか」「ついでに来たのか」という誤解を招き、遺族に対して非常に失礼な態度となりますので、絶対に避けなければなりません。正解の行動としては、まず最寄り駅や会場近くのコインロッカーを探して預けることですが、ロッカーが空いていない場合や見つからない場合は、斎場の受付で「荷物をお預けしたいのですが」と申し出るのが次善の策です。多くの斎場にはクロークや手荷物置き場が用意されていますし、もしなくても受付のスタッフがバックヤードで預かってくれることがほとんどですので、遠慮せずに相談してみることが大切ですが、その際は貴重品や香典、数珠は必ず手元に残し、預ける荷物の中に入れたままにしないように注意しましょう。また、どうしても荷物を持って会場に入らなければならない状況(例えば、極小規模な家族葬や自宅葬など)では、玄関の隅や下駄箱の上など、邪魔にならない場所に置かせてもらい、「仕事道具を持参してしまい申し訳ありません」と一言断りを入れることで、相手に配慮の気持ちを伝えることができます。最近では、喪服レンタルサービスを行っている葬儀社もあり、そこで着替えと一緒に荷物を預かってくれるサービスを提供している場合もありますので、あまりに荷物が多い時はそういったサービスを利用するのも一つの手です。いずれにせよ、大きな荷物は「穢れ(けがれ)」や「日常」を持ち込む異物として扱われることを意識し、できる限り身軽な状態で故人と向き合う環境を整えることが、スマートなビジネスマンの参列スタイルなのです。
仕事帰りの参列で荷物をどうするか