葬儀用のバッグを選ぶ際、永遠のテーマとも言えるのが「革製か布製か」という素材選びの問題ですが、結論から言えば「布製がベストだが、条件付きで革製もOK」というのが現在の一般的なマナーの解釈です。本来、仏教の教えでは殺生を禁じているため、動物の皮を使った革製品はタブーとされ、植物性繊維で作られた布製(ポリエステルやサテン、シルクなど)のバッグが最も格式高く、正式な喪の装いとされてきました。しかし、現代の実生活において革製品を完全に排除することは難しく、また革の加工技術も向上して「殺生」を直接連想させないスムースな質感のものが増えたため、光沢のないマットな仕上げの牛革や合成皮革であれば、マナー違反とはみなされず、広く許容されるようになっています。ただし、革製を選ぶ場合でも、クロコダイルやオーストリッチ、ヘビ革などの爬虫類系の革や、毛皮(ファー)、スエードといった動物の毛並みが残っているものは、殺生のイメージが強すぎるため、たとえ黒色であっても絶対に使用してはいけません。一方、布製バッグは、水や汚れに弱いというデメリットはありますが、軽量で上品な光沢があり、撥水加工が施されたものも多く販売されているため、長く使うことを考えれば、やはり一つは持っておきたい正統派アイテムです。特に女性の場合、和装(着物)で参列するなら布製のバッグが必須となりますし、洋装でも布製の方が柔らかく女性らしい雰囲気を演出できるため、迷ったら布製を選んでおけば間違いありません。男性の場合は、革製のセカンドバッグの方が耐久性があり、ビジネスシーンでの流用もしやすいため人気がありますが、その場合も「ツヤ消し」であることを必ず確認し、ピカピカと光るエナメル素材などは避けるようにしましょう。