葬儀において腕時計は単に時間を確認する道具としてだけでなく、参列者の品位やマナーへの理解度を示す重要なアイテムとして見られますが、特に「ゴールド(金無垢や金メッキ)」の腕時計に関しては、基本的にマナー違反と見なされる可能性が極めて高いため注意が必要です。葬儀の場では「光るもの」を身につけることは、華美であり、悲しみの場にふさわしくない派手さを演出してしまうためタブーとされており、ゴールドの時計はその最たるものとして忌避される傾向にあります。たとえそれが高級ブランドの時計であり、故人から贈られた形見の品であったとしても、周囲の参列者にはその事情は伝わらず、「不謹慎な装い」として白い目で見られたり、遺族に対して失礼な態度だと受け取られたりするリスクがあります。ただし、女性の場合で、非常に華奢なブレスレットタイプのゴールド時計や、艶消し加工が施されたマットなゴールドであれば、アクセサリーの一部として許容される場合もありますが、それでもシルバーや黒のベルトに比べれば目立つことは間違いありません。また、文字盤の中にダイヤモンドや宝石が埋め込まれているデザインも同様にNGであり、葬儀の場では「富の誇示」や「ファッション性の追求」は不要であり、あくまで故人を偲ぶための慎み深い装いが求められます。もし、普段使いの時計がゴールドのものしかない場合は、参列中は時計を外してポケットやバッグにしまっておくか、袖口で隠れるように意識して着用し、焼香などで腕が見える瞬間だけは特に気をつけるといった配慮が必要です。どうしても時計が必要な場合は、安価なもので構いませんので、黒の革ベルトで白文字盤、シルバーケースという最もベーシックな時計を一本用意しておくと、冠婚葬祭すべてのシーンで安心して使用することができます。
葬儀でゴールドの腕時計はマナー違反か