大人でも迷うことが多い葬儀の服装マナーですが、子どもを連れて参列するとなると、さらに多くの点で悩むものです。特に、活発に動き回る子どもの足元、つまり靴の選び方は、安全性とマナーの両面から慎重に考える必要があります。子どもの場合、成長が早く、フォーマルな靴を履く機会も少ないため、いざという時に適切な一足がないご家庭も多いでしょう。お子さんの年齢や状況に応じた、葬儀の場にふさわしい靴の選び方について解説します。まず、中学生や高校生で、学校指定の制服がある場合は、制服が正式な礼服となります。その際に履く靴も、普段から履き慣れている学校指定のローファーや革靴で全く問題ありません。たとえそれが黒以外の色であっても、制服の一部と見なされるため許容されます。ただし、汚れがひどい場合は、事前にきれいに磨いて清潔な状態にしておきましょう。次に、制服のない小学生や未就学児の場合です。服装は、黒や紺、グレーといった地味な色のものが基本となります。それに合わせる靴も、服装と同様に落ち着いた色合いのものを選ぶのが望ましいです。理想は、黒のシンプルなフォーマルシューズです。これらはもちろん、子どもの安全を最優先に考えたぺたんこ靴が基本となります。しかし、こうしたフォーマルシューズが用意できない場合もあるでしょう。その際に悩むのがスニーカーでも良いのかという点です。結論から言うと、できる限り避けるのが望ましいですが、他に選択肢がない場合は許容されることもあります。その場合の条件は、色が真っ黒で、ロゴやラインなどの柄、派手な装飾が一切ない無地のスニーカーであることです。いずれにしても、キャラクターものや、歩くと光る靴、カラフルなデザインのものは、厳粛な場の雰囲気を乱してしまうため絶対に避けなければなりません。大切なのは、大人のマナーを厳格に子どもに当てはめることではなく、故人を悼む場にふさわしい控えめで清潔な装いを、できる範囲で心掛けることです。
お子さんの葬儀参列と靴の選び方