小さな家族葬は、参列者が少ないだけで、基本的な儀式の流れは一般葬と大きく変わるわけではありません。当日に慌てないためにも、一連の流れと、参列者としてのマナーを心得ておくことが大切です。一般的に、家族葬は二日間にわたって執り行われます。一日目の夕刻から「通夜」が始まります。僧侶による読経、参列者の焼香が行われた後、「通夜振る舞い」と呼ばれる会食の席が設けられます。ここでは、故人の思い出を語り合いながら、食事を共にします。二日目は「葬儀・告別式」です。通夜と同様に読経と焼香が行われ、その後、故人との最後のお別れとして、棺に花などを手向ける「お花入れの儀」があります。そして、棺を霊柩車に乗せ、火葬場へと向かいます。火葬が終わると、ご遺骨を骨壺に納める「お骨拾い」の儀式を行い、全ての儀式が終了となります。参列者として招かれた際の心得として、まず服装は一般葬と同じく「喪服」を着用するのが基本です。親しい間柄だからといって、平服で参列するのはマナー違反となります。次に「香典」ですが、遺族から事前に「香典辞退」の連絡があった場合は、持参しないのが礼儀です。無理に渡そうとすると、かえって遺族に香典返しの手間をかけさせてしまいます。もしどうしても弔意を示したい場合は、後日、お供え物や手紙を送るなどの方法を考えると良いでしょう。遺族へのお悔やみの言葉も、長々と話すのは避け、「この度はご愁傷様です」と簡潔に伝え、深い悲しみにいる遺族の負担を思いやることが大切です。親しい間柄だからこそ、礼節をわきまえ、故人を静かに偲ぶ姿勢が求められます。